めっきり外に出なくなった私が、久しぶりに車に乗せてもらい、外にでた。久しぶりに見た町の変化に驚いた。売り家、売り土地、そしてたたんだ店の多さに息をのんだ。平日だったが人通りもなく,ひっそりした町の様子に寂しさを感じた。この町に将来はあるのだろうか。
先日見たyoutybuでの北見市は第二の夕張ではないかと案じながら見た。私の住む町と北見市がだぶって見えた。北見市の財政危機と地方衰退の全体像を通じて、現在の課題を考えてみる。日本全体で地方都市が直面する問題には、人口減少、財政赤字、インフラ老朽化などがある。特に北見市は、その現状を典型的に示している例である。
地方衰退の全体像
地方都市は人口の流出に伴い税収が減少し、その結果として行政サービスや公共施設の維持が難しくなっている。若者は都会に流れ、高齢化が進むことで地域経済がさらに縮小。これによりコミュニティの崩壊、空き家の増加、交通網の縮小といった副次的な問題が生じ、地方の持続可能性が問われる時代になっている。北海道北見市は、オホーツク圏最大の都市でありながら財政危機は、合併によるインフラ負担の増加や、人口減少にあると思われる。北見市の人口は、合併後のピーク時(2006年頃)の約12万人から2025年現在では約10万9,131人まで減少しており、この人口減少の傾向はさらに続くと予測されている。そして近年の物価高騰が複雑に絡み合い深刻化している。もともと2006年に周辺の町と合併し、市域が広がったことで、公共施設やインフラの維持管理コストが大幅に増加。そのため財政の圧迫が始まった。
特に市の財源を取り崩して賄ってきた「基金(いわゆる貯金)」が枯渇しつつあり、これが財政危機の象徴的な問題である。例えば、2023年度には収支を黒字に見せかけるために25億円の基金を使ったものの、これは一時的な措置にすぎず、毎年30億円以上の財政赤字に直面している。主な要因は、少子高齢化による税収減少、社会保障費の増加、物価高騰。また、2006年の市町村合併によるインフラ維持コストの増加も大きな負担となっている。2021年118億円をかけて地下1階地上7階市役所を建てた。合併特例債(国が7割負担)で建てたようだが、その他35億円で市民図書館、25億円で市民プールを建てるなど、市民の不満はそれらに向かっているようだ。2008年市役所建設には当時の,小谷元市長がコンパクトなものに、しようとしたようだが、市議会に押し切られたようだ。小谷氏は市の無駄も指摘している。合併後も、もとの町には自治区が置かれ、自治区長が存在し合併前と同じ構図と言う。合併のシステムのコンパクトやコスト削減は進んでいないという。そうした中、公共施設の統廃合や使用料値上げが進む一方で、市民サービスの縮小が生活の質に影響を与えている。 例えば、ごみ袋の値上げや図書館分室の廃止、市立保育園の廃園など、多くの市民が直接の負担を感じる状況である。
今後の視点
北見市が示す教訓は、地方自治体が持続可能な運営を目指すには、地域社会と行政が協力して長期的な経済活性化策を講じる必要があるということである。人口減少に対応したコンパクトシティ構築、地域資源の活用、住民参加型の政策運営など、多様なアプローチが求められるであろう。 この問題は他の地方都市にも共通する課題であり、北見市の事例を参考に、全国的に課題を共有し、解決に向けた道を探るべきだと考える。