・「ひとりぼっち」の「ぼっち」の意味は「お坊さん」?
(「ひとりぼっち」は「ひとりぼうし(独法師)」の変化した語で、それが、たったひとりでいること、身寄り、仲間、相手などのいないこと、という意味になったものである。 この場合の「法師」は、お坊さんのことではなく、たとえば「一寸法師」「影法師」などのように、ある語に添えて「人」の意を表す使い方である。坂本九のヒット曲「上を向いて歩こう」を聞くと、歌手は「ひとりぼーち」と歌っているのに、歌詞の字幕はどう見ても「ひとりぽっち」と書かれているではないか。いったいどういうことなんだろうかと、気になって仕方がなかった。
「上を向いて歩こう」の公式の歌詞がわからないので、はっきりしたことは言えないのだが、作詞家の永六輔さんは字幕通り「ひとりぽっち」としているらしい。だが、面白いことに、NHKは「ひとりぽっち」を認めていないのだ。NHK関係者がよりどころにしている『ことばのハンドブック 第2版』では、「○ヒトリボッチ、×ヒトリポッチ」とはっきりと書かれているのである。「ひとりぼっち」の方が一般的な言い方になりつつあることは確かだ。国語辞典を見ても「ひとりぼっち」で見出し語を立て、「ひとりぽっち」は解説の中で異形扱いにしているものが圧倒的に多い。
バ行音がパ行音に交替するのは珍しい現象ではないので、「ひとりぼっち」「ひとりぽっち」の揺れも特別なものではない。
だが、「ぼっち」「ぽっち」の音の違いなのだろうが、語感というか受ける感じが、「ひとりぼっち」と「ひとりぽっち」とでは少し違う気がする。個人的な感覚ではあるが、「ひとりぽっち」の方がより寂寥感(せきりょうかん)が増すような気がするのだが、どうであろうか)
・縁起が良い初夢「一富士 二鷹 三茄子」には「四扇(おうぎ) 五煙草(たばこ) 六座頭(ざとう)」という続きがある。
(正月の初夢で見たい縁起物は、富士山(ふじさん)
・鷹(たか)、・茄子(なすび)、・扇(おうぎ)、・煙草(たばこ)、・座頭(ざとう)※座頭とは、剃髪した琵琶法師のこと である。初夢で見ると縁起がいいとされている『一富士二鷹三茄子(いちふじ・にたか・さんなすび)』は聞き覚えがあるだろう。実はこのあと『四扇五煙草六座頭(しおうぎ・ごたばこ・ろくざとう)』という続きがある。つまり初夢で見ると縁起がいいものは計6種類とされているのである。
『一富士二鷹三茄子』が縁起物として選ばれた由来は諸説あり、定かではないが、ここではいくつかの有力説をご紹介する。
・駿河国の名物を順に挙げた説
隠居後の徳川家康の居住地、駿河国の名物を順に挙げたという、もっとも有力な説。「日本一の富士山」「その麓に棲む最高種の鷹」「駿河国生産の茄子」を優れたものの象徴として並べたもの
・駿河国で高い物を順に挙げた説
隠居後の徳川家康の居住地、駿河国の高いものを順に挙げたという説。当時、初茄子の値段が高く「まず一に高きは富士なり、その次は愛鷹山(あしたかやま)なり、その次は初茄子」と言われたことに由来する
・縁起の良い物を順に挙げた説
それぞれ縁起の良い言葉にかけたものを、縁起物の良いものとして順に挙げた説。富士は「不死」もしくは「無事」、鷹は「高・貴」、茄子は「成す」に由来する。
・徳川家康の好物を並べた説
天下を勝ち取り、江戸幕府を開いた徳川家康にあやかろうと、その好物を並べた説。風景は富士山、趣味は鷹狩り、食べ物は茄子がことのほか好きだったそうである。
四扇五煙草六座頭の意味・由来
『四扇五煙草六座頭』は、江戸時代の俗語などを集めた国語辞書「俚言集覧(りげんしゅうらん)」に『一富士二鷹三茄子』の続きとして書き込まれていたものである。『四扇』は扇の末広がりの形が子孫繁栄・商売繁盛を意味すること、『五煙草』は煙草の煙が上に昇る様子を縁起が良いとしたことが由来である。『六座頭』については、座頭(剃髪した琵琶法師)の特徴「毛が無い」を「怪我ない」という言葉にかけて、家内安全を意味することから縁起が良いとされた。
「初夢をいつ見た夢にするか」は、時代とともに移り変わっており、諸説ある。室町時代以降では節分から立春の明け方にかけてを初夢としたようだ。江戸時代からは大晦日を寝ずに過ごし、新年と福をもたらす神様を迎えることが習慣になり、「元日の夜から2日の朝にかけて見た夢」を初夢としてきた。しかしライフスタイルが多様化した現代では「新年になって初めて見た夢」を初夢と指すように。古い風習にとらわれず、誰もが初夢というイベントを楽しめるよう変化しているようである。)
・日本最南端の道路標識は「止まれ」
(日本最南端の交通標識は、この「止まれ」の標識です。 島であっても、車の数が少なくても、一時停止のルールはしっかり守らなければならない。 集落の南側、ペムチ浜方向に下っていく途中にその標識はある。これが、日本最南端の発電所である沖縄電力波照間発電所である。日本最南の信号機は西表島にあるようだ。 日本最南の島、波照間島には信号機がなく、西表島には2つだけあるそうで、 そのうち、大原港近くの大原交差点の信号機が日本最南の信号機。)
・滋賀県には、終点なのに「途中」というバス停がある。
(滋賀県で「途中やけど終点でーす」で、おなじみのバス路線が無念の廃止。廃止されたのは、JR湖西線の堅田駅(大津市真野一丁目)と大津市伊香立途中町の約10・3キロを結ぶ路線。 1日1・5往復運行で、「終点なのに『途中』という名前のバス停」として、テレビ番組で取り上げられたこともある。 途中町は、京都市に近い山間部にあり、若狭と京都を結ぶ「鯖街道」の一部で、途中越は難所の一つだった。大津市歴史博物館などによると、「途中」の名は、平安時代の僧相応和尚(かしょう)が近くの葛川明王院で修行していた時、「ここは明王院と比叡山の途中か」と住民に尋ねたとの伝説にちなむ。
運行する江若交通(大津市)によると、沿線人口の減少で、伊香立向在地町のバス停以降の乗客は1便当たり1~2人に落ち込んでいた。市の補助金を受けていたが赤字は解消できず、「維持は困難」として廃止を決めた。 途中町の住民からは「本数が少なく、もう何年も利用していない」「空気を乗せて走っていた」との声が聞かれた。ただ、途中バス停近くに住む女性(59)は、路線廃止は仕方ないとしつつも「将来自分が運転できなくなったとき、移動手段が残っているのか」と不安をもらした。
途中バス停はなくなるわけではない。これからは、JR堅田駅と大津市葛川細川町を結ぶ江若バス51系統と、京阪出町柳駅と高島市朽木を結ぶ京都バス10系統が引き続き停まる(いずれも土日祝日のみ運行、冬季は運休))

