・有名な童謡「春の小川」の小川は渋谷にある。
(確定している説はないが、一般的には現在の東京都渋谷区代々木界隈といわれる。というのも、この歌を作詞した当時の高野は、今の代々木3丁目3番に住んでいて、その近くには河骨川(こうほねがわ)という小さな川が流れていたからである。1912年当時、ここは東京府豊多摩郡代々幡村(とよたまぐんよよはたむら)で、のどかな村だったようである。河骨川の「河骨」とは、小川や池沼(ちしょう)に自生するスイレン科の多年草です。高野が住んでいたころの河骨川には、河骨が生い茂っていたのであろう。 現在では、山手通りと井の頭通りが交差するあたりの小田急線代々木八幡駅近くに「春の小川」の石碑がたっている。高野が住んでいた付近は現在、住宅地になっている。近くには小田急線が通っていて、高野の住居は南新宿駅と参宮橋駅の間くらいにあった。ターミナルの新宿駅からも、さほど遠くない場所である。100年余り経って、風景は様変わりした。特に大きな分岐点になったのは、1964(昭和39)年の東京オリンピックである。劇的に変わったのは、河骨川やその下流の宇田川(うだがわ)、さらに渋谷川が暗渠(あんきょ)になったことである。河骨川、宇田川、渋谷川は今、道路などで蓋がされていて、かつて川だったところは下水道として使われている。しかし、「以前のきれいでのどかな風景を取り戻したい」という声もある。下水道として使っているところを元の川に戻すのは難しいだろうが、東急電鉄は「渋谷川を再生し、特徴ある魅力的な都市環境をつくる」事業に着手。川沿いに新たな水辺空間を創出する再生計画を進めている。少しでも『春の小川』の風情を現代の大都会で味わえるのなら、期待したい構想である。)
・マクドナルドのキャラクター「ドナルド」の本当の名前は「ロナルド」
(ドナルド・マクドナルドは、ファストフードチェーンマクドナルドのマスコットキャラクターである。1963年にローカルテレビの広告用キャラクターとして誕生し、一時期アメリカ合衆国において、児童の認知率が96%を叩き出しアメリカ一知られたファストフードの宣伝キャラクターとなった。その認知度はアメリカに留まらないうえに、31カ国語を操るとされる超国際派である。モデルは道化師のウィラード・スコットであり、初代ドナルドはウィラード自身が演じた。アメリカ生まれのMcDonald’s。1971年に日本に上陸したとき、日本人が発音しやすいように「マクドナルド」と紹介された。ドナルドも同じように、アメリカでは”Ronald McDonald”と表記しますが、日本では「ドナルド・マクドナルド」と表記された。よって、ドナルドも “Ronald”(ロナルド)も、どちらも正しい名称である。)
・日本にはライオンのふんが撒かれた線路がいくつもある。これは、シカが線路に立ち入って電車と衝突する事故を防ぐため。ライオンのふんはシカよけになる。
(9月から11月はシカの繁殖期。活動的になるシカと電車との衝突事故が日本各地で増える。なぜシカが線路に立ち入るかというと、鉄分補給でレールを舐めに来ていると言われている。日本で最初にライオンの糞を使った鉄道会社は、おそらくJR西日本の和歌山支社であろう。三重県と和歌山県をつなぐ紀勢線では、シカの衝突事故で列車の遅れや運休が発生していて、2002年は202件に達しった。その年の11月、動物園がある複合施設のアドベンチャーワールド(和歌山県)からライオンの糞40kgを譲ってもらい、それを水に溶いて線路に散布。その散布から臭いが薄まるまでの3か月の間、衝突事故が0件になったという結果が!しかし近隣住民から「臭い!」といったクレームが寄せられたり、糞を入手して薄めて撒くという手間の問題などもあり、その後は続かなかったそうである。日本のシカは、ライオンに遭ったこともないのに、なぜライオンの糞の臭いをかいで、危険だと判断するのでしょうか?はっきりは分かっていないのであるが、シカには、捕食者の臭いを避ける本能があると考えられている。この研究をしている岩手大学が、ライオン以外の他のネコ科、ピューマやチーターなどの動物の糞でも実験したところ、ライオンのものが一番高い忌避性があると確認されたそうである。ライオンの糞と他のネコ科の糞とは主要な成分が似ていることから、効果があるのは、ライオンの糞の非常に微量なものと考えられている。岩手大学は、JR東日本と2004年からライオンの糞を利用したシカの忌避剤についての共同研究を行っている。JR東日本の盛岡支社管内では、2019も8月にライオンの糞から抽出した成分を加えた液剤を散布している。釜石線では、2004年から毎年1回散布していて、今年は5kmの区間でしたが、過去5年ほどは10km程度の区間に対して行っている。天候などの影響はあるが、1回の散布で2~4か月ほど効果を期待しているようだ。他にも高さ2mの高さのネット(画像で見る限りはナイロン製)を設置し、2018年からは赤と緑のレーザーの光を点滅・回転なども行っているが、衝突事故ゼロには至っていないようである。ちなみに、山ライオンの尿を100%使った動物除けが日本国内の通販で買える。猿、イノシシ、シカ、タヌキ、アライグマ、キツネなどに効果あるとか。)
・フリーターの正式名称は「フリーランス・アルバイター」の略語。フリーターは和製英語。
(フリーターはフリーアルバイターの略で、非正規で雇用されて働く人を指す言葉である。 スキルを問わず、非正規雇用であればフリーターと呼ばれる。 自由業は雇用関係にない職業を意味しますが、フリーターは雇われて働いているため、雇用関係が成立している。フリーランスは、案件ごとに業務委託契約を結ぶ働き方である。
フリーランスと自由業は同意語として使われることがある。フリーランスという言葉には、「自由業と同じ意味の場合」「業務委託契約による働き方を指す場合」の2つの使い方があると覚えておこう。フリーターは和製英語で、フリーランスアルバイターの略のようで、1985年頃からこの言葉は登場していた。 英語ではpart-time workerになる。
・リストラの正式名称は「リストラクチャリング:Restructuring」の略語。リストラも和 製英語で海外で使用しても通じない。
(リストラとは、英語のRestructuring(再構築)の略語で、企業を再生するために経費を削減すること全般をさしますが、日本では主に人件費の削減を目的とする人員整理の意味で使われる。本来「リストラ」は「リストラクチャリング」の略語であるため、意味に違いはない。しかし、バブル崩壊以降の日本では、人員削減や解雇を「リストラ」と呼んでいたため、現在もなおそのネガティブなイメージが定着している。人員削減や解雇などの「リストラ」も、「リストラクチャリング」の一部である。しかし、本来のリストラクチャリングは、単なる人員整理ではなく企業価値向上などが目的である点には注意しょう。
リストラクチャリングの事例として、次の2つを紹介する。
・かつて富士フイルムは、写真フィルムの開発・販売を主力事業としていたが、2000年以降デジタル化の影響を受け、売上の6割、利益の2/3を失うことになった。しかし、同社は2004年から経営改革をスタートし、大規模なリストラクチャリングを行う。具体的には、医療機器、医薬品、化粧品の「ヘルスケア」、印刷用機材の「グラフィックシステム」など6つの事業へ経営リソースを集中的に投資したのである。さらには経営が厳しい中でも年間2,000億円以上を研究開発に投資した。その結果、富士フイルムホールディングスは、経営改革スタートからわずか3年後の2007年には過去最高の売上高と利益額を創出することに成功したのである。
・2024年2月、ソニーグループはコア事業の1つである金融事業を部分的に分離し、上場させる計画を発表した。
この計画により、銀行や保険などを事業とする金融子会社が、独自に資金調達を進められるようになったのである。さらに、同社グループの主力であるエンターテインメント事業やイメージセンサー事業へ経営リソースを集中投資する狙いもあるといわれている。
例えコア事業であっても、グループ全体の成長を目的としたリストラクチャリングを遂行したこの取り組みは、リストラクチャリングの好事例の1つである。)
・非常口マークに描写されている走っている人の絵の正式名称は「ピクトさん」
(非常口やトイレの目印として普及している記号化された人物マークは、コピーライターの内海慶一氏によって「ピクトさん」と2003年に名づけられ、キャラクターとしても親しまれている。非常口の標識に描かれている、逃げている人は「ピクトさん(またはピクトくん)」というが、これは英語で絵文字を意味し、メッセージを視覚的に伝えるピクトグラム(pictogram)に由来している。非常用出口のピクトさんだけでなく、滑って転びやすい場所にいるピクトさんや、頭をぶつけやすい場所にいるピクトさんなど、様々なピクトさんが存在する。)
・レインボーブリッジの正式名称は「東京港連絡橋」
(正式名称は「東京港連絡橋」で「レインボーブリッジ」は「虹の橋」という意味で一般公募で決まった通称。 ハイテク技術と腕利きの鳶職人を結集して作られた吊り橋で、橋長は798m・主塔の高さは海面から126m、首都高11号台場線・臨港道路・臨海新交通システム(ゆりかもめ)からなる複合交通施設である。)
・東京タワーの正式名称は「日本電波塔」
(東京タワー(とうきょうタワー、英: Tokyo Tower)は、東京都港区芝公園にある総合電波塔[3]。正式名称は日本電波塔(にっぽんでんぱとう)。1958年(昭和33年)12月23日に竣工。東京のシンボル、観光名所として知られている。2018年度グッドデザイン賞受賞。創設者は前田久吉で、日本の「塔博士」とも称される内藤多仲らが設計。 高さは333メートルと広報されており、海抜では351メートル。塔脚の中心を基準とした塔脚の間隔は88.0メートル。総工費約30億円、1年半(197万4,015時間/543日間)と延べ21万9,335人の人員を要して完成した。地上125メートル(海抜約150メートル)と223.55メートル(海抜約250メートル)に展望台を有するトラス構造の電波塔である。)